ちょっといじるだけで趣が出る。それだけでいい。ロゴフォントのお話。

最近のご依頼で、ちょっといい感じに勉強になった案件があったので、ブログにしようと思いました。


初取引のクライアント様で、リタイア世代のツールづくり事業を展開しようとされている「しるし」というお客様から、ロゴ制作のご依頼です。

既存フォントをちょっといじって、落款印ようなデザインを付けてほしいとのリクエスト。

ご自身のイメージもしっかりあって、全くまっさらではないので、比較的製作しやすい案件と感じていました。


しかし当然ですが、そのまんまロゴタイプには使えません。

普段、フリーでどなたでも使えるものが上で、

実際納品したのが、下。


◆文字を太らせた。

◆傾いた文字を真っ直ぐにした。

◆セリフやはらいを強調した。

◆文字のジャンプを変えている。



 




 

使用フォントは「はんなり明朝」

ひらがなが抜群に美しい、「ほんとにフリーなの?!」ってフォントです。

ひらがな以外はちょっと使いにくいですが。。。



まず、文字を太らせました。本当にはんなりした文字なので。

「し」の背中が倒れているままでは、ロゴとするにしては座りが悪いので背筋をまっすぐにし、セリフと言われるヒレの部分を太らせ、下のおしり部分のカーブを大きくすることで、印象を強くしました。

「る」は太らせると「もた」っとしたので、頭のかえし部分を短くし、文字自体を数%小さくしています。



 

「ロゴに特別な意味を込めたくない」というご依頼。

 

「え? ロゴってそんなもんでいいの? 楽勝じゃん」

そう思われましたでしょうか?

業界の方ならお分かりかと思いますが、ここまで来るのにやはり紆余曲折はつきもの。

今回はちょっと新しいタイプの経験だったので、自分のためにも記そうと思いました。(もちろんお客様のご承諾を得ております)

クライアント様は、広告業界で社長をお勤めになり、引退して新ビジネスを考案中のお方。

当然今まで、沢山のデザイナー・クリエイターとやり取りをされ、また、広告受賞歴もお持ちです。

そんな方のご依頼ですから、

ヒアリングしたことの落とし込み・私なりの理解・そしてロゴへの提案。

そんなものをじっくり真剣に考えました。

提案した一部。


ターゲット層や意味・表現などをしっかり考え、私としてはちょっと秀作だったんじゃない?と思っていたのですが・・・。

本当に、既存フォントをちょっといじってくれたらいい。と、言葉通りのリクエスト。

「これが悪いと言ってるんじゃない」と、フォローしてくださいましたが、ご要望の本質は「ロゴに特別な意味を込めたくない」ということが中心だったのです!

私のヒアリング力、まだまだ!!!

だって、ねぇ? ロゴって事業のブランドを表現するものって考えるじゃないですか。

そういう意味で、見た目や無意識に感じるものまで考えて作るのだけど・・・。

「ロゴにこんな意味を込めました、というのは、デザイナーの自己満足だよ」

と、優しい口調で厳しく言われたこの日。なんだか目から鱗の気分(^-^)。

こういうご依頼もあるのか。

リードしなきゃならないご依頼もあれば、言われた通りの無色透明にならないといけない時もある。

やっぱ、面白いなぁ。。。と思う、デザインの世界のお話。